成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障害などの理由で判断能力が不十分な人の「財産」や「権利」を保護し、支援していく制度です。


精神上の障がいによって判断能力が十分でない方々(認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者など)が、社会生活において様々な契約や遺産分割

などの法律行為をする場合に、その法律行為によってどのような効果が発生するのか、自分の行った行為の結果の判断ができなかったり、不十分

だったりする場合があります。
成年後見制度は、このような方々について、本人がお持ちになっている預貯金や不動産などの財産管理、あるいは介護、施設への入退所などの生活に

配慮する身上監護を、本人に代わって法的に代理や同意、取消をする権限を与えられた成年後見人等が行うことによって、本人を保護し、

権利が守られるよう支援する制度です。

現行の成年後見制度への改正経緯


改正前の成年後見制度は、

①「禁治産」「準禁治産」の宣告がされると、その事項が本人の戸籍に記載され

   ることになっていたことから制度利用への抵抗感があった

②保護者としての後見人・保佐人は、夫婦の場合は必ず配偶者であり、人数も

  1名に限定されていたことにより、保護体制が十分とは言えなかったこと等の

   問題点が指摘されていました。
   このため、現行の成年後見制度は、これまでの成年後見制度に対する指摘を

   踏まえて,高齢化社会への対応及び障がい者福祉の充実の観点から、判断能力の

   不十分な高齢者や障がい者等を保護し、支援するために「自己決定の尊重」

 「ノーマライゼーション」等の新しい理念と、従来からの「本人保護」の理念と

  の調和を図り、本人の状況に応じた柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度として

  平成12 年4 月1 日から施行されました。
 現行制度には、従前の禁治産,準禁治産の制度を改めた「法定後見」(「民  

  法」で定められています。)と、従前の制度にはなかった「任意後見」(「任

  意後見契約に関する法律」で定められています。)があります。

  法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて、後見、保佐、補助の3 つの類型が

  あり、精神上の障がいにより本人の判断能力が不十分である場合に、家庭裁判

  所が、法律の定めに従って、本人を援助する者(成年後見人等)を選任し、

  この者に本人を代理するなどの権限を与えることにより本人を保護するもの

  です。

成年後見制度に係る主な根拠法令等


◆補助・保佐・後見の制度の導入等新しい成年後見制度への改正
○民法の一部を改正する法律(平成11 年法律第149 号)
◆任意後見制度の創設
○任意後見契約に関する法律(平成11 年法律第150 号)
◆老人福祉法、知的障害者福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正

 による市町村長申立権の付与規定の新設
○民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

 (平成11 年法律第151号)
◆成年後見登記制度の創設
○後見登記等に関する法律(平成11 年法律第152 号)

法定後見制度の概要


○ 法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」、「保佐」、「補助」の3 つに類型化

  され、申立てを受けた家庭裁判所が、法律の定めに従って、本人を援助する者として

  成年後見人、または保佐人、補助人を選任する。
○ 成年後見人等は、審判の内容や法に規定された代理権、同意権・取消権を行使し、

  身上配慮義務、本人意思尊重義務に従い、財産管理や身上監護を行う。
○ なお、以下の本文において、「成年被後見人等」とは本人のことであり、被保佐人、

  被補助人を含む。また「成年後見人等」とは保佐人、補助人を含む。
○ 旧制度での「禁治産」、「準禁治産」はそれぞれ「後見」、「保佐」の審判を受けたものと

  みなされる(民法附則第3条)。その場合、登記を申請し、登記されると法務局より登記

  された旨の通知が市町村になされ、それをもって戸籍が再製される。

  (後見登記等に関する法律附則第2条)
○ 現行の成年後見制度においても各個別法において依然資格制限が定められている。

  以下に例を示す。
 ・成年被後見人
  印鑑登録(自治省印鑑登録証明事務処理要領、各市町村条例)など。
  なお、被保佐人には上記の資格制限はない。
 ・成年被後見人・被保佐人
  校長、教員(学校教育法第9 条)
  国家公務員(国家公務員法第38 条)及び地方公務員(地方公務員法第16 条)
  社会福祉法人の役員(社会福祉法第36 条第4 項)など。
○ 「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律

  (平成25年法律第21号)」

  、「公職選挙法施行令及び日本国憲法の改正手続に関する法律施行令の一部を改正

  する政令(平成25年政令第159号)」及び「日本国憲法の改正手続に関する法律施行

  規則の一部を改正する省令

 (平成25年総務省令第63号)」が平成25年5月31日に公布され、それぞれ改正法の公布

    の日から起算して1月を経過した日(平成25年6月30日)から施行された。
■民法附則(平成11 年12 月8 日法律第149 号)第3条(禁治産及び準禁治産の宣告等に

  関する経過措置)
 旧法の規定による禁治産の宣告は新法の規定による後見開始の審判と、当該禁治産の

 宣告を受けた禁治産者 並びにその後見人及び後見監督人は当該後見開始の審判を

 受けた成年被後見人並びにその成年後見人及び成年後見監督人とみなす(以下略)
■後見登記等に関する法律附則第2 条(禁治産者及び準禁治産者についての経過措置)
 民法の一部を改正する法律(平成11 年法律第149 号。以下「民法改正法」という。)

 附則第3条第1項の規定により成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人と

 みなされる者又は当該成年被後見人とみなされる者の配偶者若しくは四親等内の親族

 は、政令で定めるところにより、後見の登記を申請することができる。 (以下略)
4 登記官は、前三項の規定による登記をしたときは、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者に

 対し、その旨の通知をしなければならない。
5 戸籍事務を管掌するものは、前項の通知を受けたときは、法務省令で定めるところにより、

 当該通知に係る成年被後見人とみなされる者又は被保佐人とみなされる者の戸籍を再製

 しなければならない。

 

新しい法律です。

平成28年度5月13日から施行

成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成二十八年法律第二十九号)

          [※平成28年政令第二百十四号により平成28年5月13日から施行]

目次

  • 第一章  総則(第一条―第十条)
  • 第二章  基本方針(第十一条)
  • 第三章  成年後見制度利用促進基本計画(第十二条)
  • 第四章  成年後見制度利用促進会議(第十三条・第十四条)
  • 第五章  成年後見制度利用促進委員会(第十五条―第二十二条)
  • 第六章  地方公共団体の講ずる措置(第二十三条・第二十四条)
  • 附則

第一章 総則

(目的)

第一条  この法律は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置すること等により、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

 

(定義)

第二条 この法律において「成年後見人等」とは、次に掲げる者をいう。

  1. 一 成年後見人及び成年後見監督人
  2. 二 保佐人及び保佐監督人
  3. 三 補助人及び補助監督人
  4. 四 任意後見人及び任意後見監督人

2.この法律において「成年被後見人等」とは、次に掲げる者をいう。 

  1.    一 成年被後見人
  2.    二 被保佐人
  3.    三 被補助人
  4.    四 任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)第四条第一項の規定により任意後見
  5.     監督人が選任された後における任意後見契約の委任者

3.  この法律において「成年後見等実施機関」とは、自ら成年後見人等となり、又は成年後見人等若し

      くはその候補者の育成及び支援等に関する活動を行う団体をいう。

 

4.この法律において「成年後見関連事業者」とは、介護、医療又は金融に係る事業その他の成年後見

 制度の利用に関連する事業を行う者をいう。

 

(基本理念)

第三条 成年後見制度の利用の促進は、成年被後見人等が、成年被後見人等でない者と等しく、

   基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される

   べきこと、成年被後見人等の意思決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人等の自発

   的意思が尊重されるべきこと及び成年被後見人等の財産の管理のみならず身上の保護が適切に

   行われるべきこと等の成年後見制度の理念を踏まえて行われるものとする。

    2. 成年後見制度の利用の促進は、成年後見制度の利用に係る需要を適切に把握すること、市民の

   中から成年後見人等の候補者を育成しその活用を図ることを通じて成年後見人等となる人材を

   十分に確保すること等により、地域における需要に的確に対応することを旨として行われるものと

   する。

    3. 成年後見制度の利用の促進は、家庭裁判所、関係行政機関(法務省、厚生労働省、総務省

   その他、関係行政機関をいう。以下同じ。)、地方公共団体、民間の団体等の相互の協力及び適切

   な役割分担の下に、成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の権利利益を適切かつ確実に

   保護するために必要な体制を整備することを旨として行われるものとする。

 

(国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 

(地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 

(関係者の努力)

第六条 成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、基本理念にのっとり、その業務を行うとともに、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 

(国民の努力)

第七条 国民は、成年後見制度の重要性に関する関心と理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 

(関係機関等の相互の連携)

第八条 国及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、相互の緊密な連携の確保に努めるものとする。

    2.  地方公共団体は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、特に、その

   地方公共団体の区域を管轄する家庭裁判所及び関係行政機関の地方支分部局並びにその地方

   公共団体の区域に所在する成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者

   その他の関係者との適切な連携を図るよう、留意するものとする。

 

(法制上の措置等)

第九条 政府は、第十一条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を速やかに講じなければならない。この場合において、成年被後見人等の権利の制限に係る関係法律の改正その他の同条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後三年以内を目途として講ずるものとする。

 

(施策の実施の状況の公表)

第十条 政府は、毎年一回、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施の状況をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

第二章 基本方針

第十一条 成年後見制度の利用の促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえるとともに、高齢者、障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。 

一 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の能力に応じたきめ細かな対応を可能とする観点か        ら、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について

   検討を加え、必要な措置を講ずること。

二 成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、

   成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを

   行うこと。

三 成年被後見人等であって医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難なものが円滑に

   必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方について、成年後見人等の事務 

   の 範囲を含め検討を加え、必要な措置を講ずること。

四 成年被後見人等の死亡後における事務が適切に処理されるよう、成年後見人等の事務の範囲に

   ついて検討を加え、必要な見直しを行うこと。

五 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の自発的意思を尊重する観点から、任意後見制度

   が 積極的に活用されるよう、その利用状況を検証し、任意後見制度が適切にかつ安心して利用さ

   れるために必要な制度の整備その他の必要な措置を講ずること。

六 成年後見制度に関し国民の関心と理解を深めるとともに、成年後見制度がその利用を必要とする

   者 に十分に利用されるようにするため、国民に対する周知及び啓発のために必要な措置を講ずる

   こと      

七 成年後見制度の利用に係る地域住民の需要に的確に対応するため、地域における成年後見制度

   の利用に係る需要の把握、地域住民に対する必要な情報の提供、相談の実施及び助言、市町村

   長による後見開始、保佐開始又は補助開始の審判の請求の積極的な活用その他の必要な措置を 

   講ずること。

八 地域において成年後見人等となる人材を確保するため、成年後見人等又はその候補者に対する

   研修の機会の確保並びに必要な情報の提供、相談の実施及び助言、成年後見人等に対する報酬

   の支払の助成その他の成年後見人等又はその候補者に対する支援の充実を図るために必要な

   措置を講ずること。

九 前二号の措置を有効かつ適切に実施するため、成年後見人等又はその候補者の育成及び支援等

   を行う成年後見等実施機関の育成、成年後見制度の利用において成年後見等実施機関が積極的

   に活用されるための仕組みの整備その他の成年後見等実施機関の活動に対する支援のために

   必要な措置を講ずること。

十 成年後見人等の事務の監督並びに成年後見人等に対する相談の実施及び助言その他の支援に

   係る機能を強化するため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的

   体制の整備その他の必要な措置を講ずること。

十一 家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び

   成年後見関連事業者の相互の緊密な連携を確保するため、成年後見制度の利用に関する指針の

   策定その他の必要な措置を講ずること。

第三章 成年後見制度利用促進基本計画

第十二条 政府は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画(以下「成年後見制度利用促進基本計画」という。)を定めなければならない。

2. 成年後見制度利用促進基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 

  1.   一 成年後見制度の利用の促進に関する目標
  2.   二 成年後見制度の利用の促進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
  3.   三 前二号に掲げるもののほか、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に
  4.     推進するために必要な事項

3. 内閣総理大臣は、成年後見制度利用促進基本計画の案につき閣議の決定を求めなければなら

  ない。

4. 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、成年後見制度利用促進 

    基本計画をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

5. 前二項の規定は、成年後見制度利用促進基本計画の変更について準用する。

第四章 成年後見制度利用促進会議

(設置及び所掌事務)

第十三条 内閣府に、特別の機関として、成年後見制度利用促進会議(以下この章において「会議」という。)を置く。

2. 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。 

  1.   一 成年後見制度利用促進基本計画の案を作成すること。
  2.   二 成年後見制度の利用の促進に関する施策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。
  3.   三 前二号に掲げるもののほか、成年後見制度の利用の促進に関する基本的事項の企画に関して
  4.     審議するとともに、成年後見制度の利用を促進するための施策の実施を推進し、並びにその実施の
  5.     状況を検証し、評価し、及び監視すること。

3. 会議は、次に掲げる場合には、成年後見制度利用促進委員会の意見を聴かなければならない。 

  1.   一 成年後見制度利用促進基本計画の案を作成しようとするとき。
  2.   二 前項第三号の検証、評価及び監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとするとき。

(組織等)

第十四条 会議は、会長及び委員をもって組織する。

2. 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。

3. 委員は、次に掲げる者をもって充てる。 

  1.   一 内閣官房長官
  2.   二 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣のうちから、 
  3.     内閣総理大臣が指定する者
  4.   三 法務大臣
  5.   四 厚生労働大臣
  6.   五 総務大臣
  7.   六 前各号に掲げる者のほか、関係行政機関の長のうちから内閣総理大臣が指定する者

4. 前三項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

第五章 成年後見制度利用促進委員会

(設置)

第十五条 内閣府に、成年後見制度利用促進委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。

2. 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。 

  1.   一 次に掲げる重要事項に関し、自ら調査審議し、必要と認められる事項を内閣総理大臣又は関係各
  2.     大臣に建議すること。
  3.   イ 成年後見制度の利用の促進に関する基本的な政策に関する重要事項
  4.   ロ 成年後見制度の利用の促進を図る上で必要な環境の整備に関する基本的な政策に関する重要
  5.     事項
  6.   二 内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、前号に規定する重要事項に関し、調査審議する
  7.     こと。

(資料の提出要求等)

第十六条 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、報告を求めることができるほか、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

 

(組織)

第十七条 委員会は、委員十人以内で組織する。

2. 委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。

3. 委員会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

 

(委員等の任命)

第十八条 委員及び臨時委員は、成年後見制度に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

2. 専門委員は、当該専門の事項に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命  

  する。

 

(委員の任期等)

第十九条 委員の任期は、附則第一条ただし書の政令で定める日の前日までとする。

2. 臨時委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任さ

  れるものとする。

3.専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるも

     のとする。

4. 委員、臨時委員及び専門委員は、非常勤とする。

 

(委員長)

第二十条 委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。

2. 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3. 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 

(事務局)

第二十一条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

2. 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。

3. 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

 

(政令への委任)

第二十二条 第十五条から前条までに定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

第六章 地方公共団体の講ずる措置

(市町村の講ずる措置)

第二十三条 市町村は、成年後見制度利用促進基本計画を勘案して、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるとともに、成年後見等実施機関の設立等に係る支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2. 市町村は、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関して、基本的な事項を調

  査審議させる等のため、当該市町村の条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関

  を置くよう努めるものとする。

 

(都道府県の講ずる措置)

第二十四条 都道府県は、市町村が講ずる前条の措置を推進するため、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、成年後見人等となる人材の育成、必要な助言その他の援助を行うよう努めるものとする。

附則抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第五条の規定は、同日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 

(検討)

第二条 認知症である高齢者、知的障害者その他医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難な者が円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方については、第十一条第三号の規定による検討との整合性に十分に留意しつつ、今後検討が加えられ、その結果に基づき所要の措置が講ぜられるものとする。

 

(成年後見制度の利用の促進に関する法律の一部改正)

第三条 成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成二十八年法律第二十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「・第十四条」を削り、 「第五章 成年後見制度利用促進委員会(第十五条―第二十二条) 第六章 地方公共団体の講ずる措置(第二十三条・第二十四条)」を 「第五章 地方公共団体の講ずる措置(第十四条・第十五条)」に改める。
第一条中「とともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置する」を削る。
第十二条第三項中「内閣総理大臣」を「法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、成年後見制度利用促進基本計画を変更しようとするとき」に改め、「成年後見制度利用促進基本計画」の下に「の変更」を加え、同条第四項中「内閣総理大臣」を「法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣」に改め、「遅滞なく、」の下に「変更後の」を加え、同条第五項を削る。
第十三条を次のように改める。
第十三条 政府は、関係行政機関相互の調整を行うことにより、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度利用促進会議を設けるものとする。

2. 関係行政機関は、成年後見制度の利用の促進に関し専門的知識を有する者によって構成する成

   年後見制度利用促進専門家会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものと

  する。

3. 成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議の庶務は、厚生労働省におい

  て処理する。
第十四条及び第五章を削る。
第六章中第二十三条を第十四条とし、第二十四条を第十五条とし、同章を第五章とする。

 

成年後見制度の3つの理念


◎ノーマライゼーション:障がいがあってもなくても、みんなと一緒に「ふつう」・

                                          「当たり前に」に生活する

 

◎残存(現有)能力の活用:自分でできることは自分でする

 

◎自己決定の尊重:本人の気持ちを大切にする

成年後見制度は大きく2つに分かれています。


任意後見制度

判断能力に問題がない人が、将来判断能力が不十分になった場合にそなえて「誰に何を

してもらうか」をあらかじめ決定し、判断能力が不十分になったときに、家庭裁判所に

任意後見監督人を選任してもらい、依頼した後見事務をしてもらうという制度です。

法定後見制度

法定後見は、生活に必要な判断能力が十分でなく、法律行為や財産管理がしづらい状態の人に、家庭裁判所が方に、家庭裁判所が審判によってつけるという制度です。

例えばどんな時に・・・・・

◎一人暮らしの80歳ですが、これから先、

 家や財産の管理が不安なのですが・・・。


◎民生委員ですが、

 近くに住む方が、訪問販売で高いものを

 買わされて、断れないようですが・・・。


 

◎認知症の父親の不動産んを売却して入院費 

 にあてたい

 

◎施設の相談員ですが、

 身寄りがなく、認知症のため判断能力に

 不安のある方の今後のケアの在り方を

 誰に相談したらいいか心配で・・・。

 

◎寝たきりの父の面倒をみて財産管理を

 してきたが、他の姉妹から疑われている。

 

 


◎知的障がいと精神障がいのため判断が

 十分にできない子どもがいます。私たち

 両親が亡くなった後のことが心配です。


法定後見制度利用の流れ


申立の準備・書類作成

●誰が申立人・後見人等候補者になるのかを検討します。

●申立て書類を取り寄せます。申立書など必要書類や記入方法などをまとめた「申立セット」

  があります。 

 (家庭裁判所の後見係か大分家庭裁判所のウエブサイトに公開されています)

 また「成年後見制度について等」のDVD視聴やパンフレットのダウンロードもできます。

●診断書の作成を医師に依頼します。

●申立書などの記入と必要書類(戸籍謄本や住民票等)をそろえます。

家庭裁判所へ申立て

●本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。

大分家庭裁判所:大分市,別府、由布市,臼杵市,豊後大野市(旧大野郡千歳村,旧大野郡犬飼町)、

             津久見市

 中 津 支 部:中津市,宇佐市

 杵 築 支 部:杵築市(旧杵築市,旧速見郡山香町)、国東市(旧東国東郡国東町,旧東国東郡武蔵町,旧東国東郡安岐町
           速見郡(日出町)

 豊後高田出張所:豊後高田市、杵築市(旧西国東郡大田村)、国東市(旧東国東郡国見町、東国東郡(姫島村)

 日 田 支 部:日田市,玖珠郡(九重町 玖珠町)

 竹 田 支 部:竹田市、豊後大野市旧大野郡三重町,旧大野郡清川村,旧大野郡緒方町,旧大野郡朝地町,旧大野郡大野町

 佐 伯 支 部:佐伯市

申立て必要書類

●診断書(医療機関ごとの所定の金額:おおむね5千円前後)

●本人の出生から現在までの戸籍謄本(全部事項証明書)(1部450円〜)

●本人と後見等候補者の住民票(1部300円)

●本人の登記されていないことの証明書(収入印紙300円)

●申立手数料(収入印紙800円)

 ※代理権・同意権等付与申立ては別途追加が必要

●登記手数料(収入印紙2,600円)

●切手(3,000円前後)

 ※戸籍・住民票はその本人の籍がある、住民登録されている自治体に請求します。

 ※登記されていないことの証明書は、大分地方法務局で窓口請求するか、東京法務局に郵送申請します。

●鑑定費用(約30,000円〜100,000万円)※家庭裁判所から精神鑑定の指示がある場合のみ。

家庭裁判所での審理 <申立てからおおむね1〜3ヶ月後>

●家庭裁判所から申立人、本人、後見人等候補者などに事情の聞き取りがあります。

●家庭裁判所から親族に対し、意向確認がある場合があります。

●本人の判断能力によっては、精神鑑定が行われる場合があります。

家庭裁判所での審判

●家庭裁判所が申立てについて審判(特別送達で審判書が申立人と本人、後見人等に届きます)。

●後見人等が審判書を受領し、2週間以内に不服申し立てがされない場合、審判が確定し正式に 

 後見人等の就任が決まります。

●審判確定後、家庭裁判所が東京法務局に審判内容の登記を依頼し、登記されます。

●登記後に後見人等は、登記事項証明書(1部:収入印紙550円)の請求ができます。

 ※登記事項証明書は、大分地方法務局で窓口請求するか、東京法務局に郵送申請することで

 取得できます。

●後見等の開始と後見人等の選任。

後見等の開始(被後見人等への支援開始)

●後見人等が定められた権限の範囲において、本人の支援をします。

●後見人等は審判確定後1ヶ月以内に本人の財産目録、1ヶ月分の収支予定表、後見事務計画書

 等を家庭裁判所に提出します。

●1年に1回、財産状況や身上監護について定期報告書を提出します。

後見等の終了

●本人の死亡、後見人等の辞任によって、後見業務は終了します。

 ※家庭裁判所と東京法務局へ後見業務等の終了について報告が必要となります。

成年後見制度についてQ&A


成年後見人はどのような仕事をするのですか?

成年後見人の主な職務は本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら,財産を適正に管理し,必要な代理行為を行うことです。

 成年後見人は,申立てのきっかけとなったこと(保険金の受取等)だけをすればよいものではなく,後見が終了するまで,行った職務の内容(後見事務)を定期的にまたは随時に家庭裁判所に報告しなければなりません。家庭裁判所に対する報告は,本人の判断能力が回復して後見が取り消されるか,または本人が死亡するまで続きます。

 後見人になった以上,本人の財産は,あくまで「他人の財産」であるという意識を持って管理していただく必要があります。後見人に不正な行為,著しい不行跡があれば,家庭裁判所は後見人解任の審判をすることがあります。後見人が不正な行為によって本人に損害を与えた場合には,その損害を賠償しなければなりませんし,背任罪,業務上横領罪等の刑事責任を問われることもあります。

Q1

成年後見制度(法定後見)を利用するのに係る費用はだれが払うの?


【申立にかかる費用】

●診断書(医療機関ごとの所定の金額:おおむね5千円前後)

●本人の出生から現在までの戸籍謄本(全部事項証明書)(1部450円〜)

●本人と後見等候補者の住民票(1部300円)

●本人の登記されていないことの証明書(収入印紙300円)

●申立手数料(収入印紙800円)

 ※代理権・同意権等付与申立ては別途追加が必要

●登記手数料(収入印紙2,600円)

●切手(3,000円前後:切手の種類があるので、家庭裁判所へ確認します。)

 ※戸籍・住民票はその本人の籍がある、住民登録されている自治体に請求します。

 ※登記されていないことの証明書は、大分地方法務局で窓口請求するか、東京法務局に

  郵送申請します。

●鑑定費用(約30,000円〜100,000万円)※家庭裁判所から精神鑑定の指示がある場合のみ。

●通帳・領収書等のコピー代

 

基本的には、申立人が申立てにかかる費用を払うとされています。また上記以外にも、申立手続き(代理・書類作成)を弁護士あるいは司法書士に依頼することもできますが、その場合、別途経費が必要となる場合があります。

なお、資産・収入に余裕のない場合、法テラスの民事法律扶助を受けられることもあります。

また、後見人等に選任された場合報酬については、家庭裁判所が審判によりその金額を定め、本人の資産から支出されます。(親族など本人以外の方へ請求されることはありません)家庭裁判所で本人の資産状況や後見人等の事務の報告内容を検討して報酬額が決定されます。(東京裁判所の示す報酬額の目安では、基本月額2万円とされています)資力の乏しい本人の場合、市町村により成年後見制度利用支援事業により、報酬について助成を受けられる制度もあります。

Q2

どういう人が後見人等になるの?


後見人等に選任されるのに、特別な資格が必要なわけではありません。被後見人等(本人)の

子や親などの親族が選任されることもありますが、司法書士・弁護士・社会福祉士などの

専門職や法人(社会福祉協議会・NPO法人など)が選任されることが増えています。

家庭裁判所により、本人にとって最適と考られる後見人等が選任されます。

なお、法律上、後見人等にはなりえないもの(欠格事由)が定められており、未成年者・破産者・家庭裁判所で解任された後見人等・行方不明者などは、後見人等になることはできません。

Q3

後見人等がやってはいけないことは?


後見人等は家庭裁判所から選任された公的な立場という面があります。たとえ家族が後見人等に就任した場合でも、きちんとした財産管理と生活の質の向上に向けた事務を行わなければなりません。本人の資産を本人のためでなく自分のために使うような行為(横領)はもちろん許されず、後見人等の解任事由となります。

また、本人と後見人等との利益が反するような行為については、特別にその行為のための代理人を家庭裁判所に選任してもらったり、後見監督人が選任されていれば後見監督人が行います。

個別の行為について、後見人等の立場でやっていいのか疑問が生じたら、家庭裁判所や当センターへ相談しましょう。

Q4

成年後見制度(法定後見)を利用することで

本人と家族との関係はどうなるの?


本人と家族との関係には基本的に変わりはありません。今まで通り、本人と家族としての適切な関係を維持してください。ただ、本人の財産管理面について、後見人に管理の権限が移りますので、それまで管理していた本人の通帳・年金証書等は後見人へ引き渡しが必要になります。保佐人・補助人に関しても、その代理権の範囲で財産管理権限が生じます。

なお、不適切な関与(虐待など)をしていた家族と本人の関係につき、後見人等は行政とも連携して適切な法的対処を行う場合もあります。

Q5

後見人等になるといつまでやらなければならないの?


後見人に就任していても、「正当な事由」があれば辞任が認められます。「正当な事由」とは、後見人等自身の健康上の問題・高齢化・遠方への移転等の理由で後見事務を遂行するのが困難となる事です。

本人が健在であり、その判断能力が回復して後見等開始決定が取り消されない限り継続します。後見人等の辞任を検討する場合は、家庭裁判所に相談しましょう。

Q6

後見制度支援信託とはどういうものなの?


成年後見制度支援信託は、後見制度による支援を受ける方(本人)の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことです。信託財産は元本が保証され、貯金保険制度の保護の対象にもなります。

後見制度支援信託を利用すると、信託財産を払い戻したり、信託契約を解除したりするにはあらかじめ家庭裁判所が発行する指示書を必要とします。このように、後見制度支援信託は、本人の財産の適切な管理・利用のための一つの方法です。

財産を信託する信託銀行等や信託財産の額などについては、原則として弁護士、司法書士等の専門職後見人が本人にかわって決めた上、家庭裁判所の指示を受けて、信託銀行等との間で信託契約を締結します。

信託した財産は信託銀行等で管理されますので、後見人は年金の受け取りや施設入所等のサービス利用料の支払いといった日常的に必要な金銭管理をします。本人の収入よりも支出の方が多くなることが見込まれる場合には、信託財産から必要な金額が定期的に送金されるようにすることができます。